がんの「病期」とは何か

がんは、進行するにつれて病巣の状態や特徴がしだいに変化します。そのため、治療の方法や治療後の生存期間なども、進行状態によって異なってきます。

そこで、がんの進行状態を判断し、それによって治療方針を立てるため、診断時にがんがどの段階にあるかが決定されます。この段階のことを「病期(臨床病期)」と言います。「ステージ」とか「ステージング」と呼ぶこともあります。

これまでに、各国でさまざまな病期の分け方が提案されてきましたが、それらのうち、現在世界的にもっとも広く使用されている分類法が「TNM分類」です。これは、アメリカがん合同委員会(AJCC)が作成し、国際対がん連合(UICC)が発表しているもので、5~10年ごとに見直しが行われています。

TNM分類のTは原発腫瘍(tumor)、Nはリンパ節(node)、そしてMは転移(metastasis)を表します。各項目をもう少し具体的に説明すると、次のとおりです。

①T:原発腫瘍の程度を示し、TO~T4の4段階に分けます。
②N:リンパ節への転移の程度を示し、NO~N4の4段階に分けます。
③M:遠隔転移の有無を示し、MOとM1の2段階に分けます。

これら3つの要素を組み合わせて、がんの進行度を0期~4期の5段階に分けます。世界には、独自の病期分類をつくっている国も少なくないものの、それらの内容はほとんど、このTNM分類と共通です。

ただし、この分類法を単純にすべてのがんに当てはめることはできません。がんの種類によっては、進行のしかたがほかのがんとは大きく異なるからです。そのため現在では、TNM分類でも、45の臓器や組織について、個別の病期を公表しています。

がんの病期がなぜ重要なのでしょうか?それは、この分類を使用することによって、がんの治療に取り組むすべての医師が、ある患者のがんの状態を「共通認識」として把握できるからです。

特定のがんに対して、どの医師もほぼ同じ判断を下し、ほぼ同じ治療方針を立てるべき基準がある・・・これは、がん患者がどこの医療機関で治療を受けても、治療結果に大きな違いはないと期待できることを意味します(実際には、病院や医師の考え方などによって、同じ病期のがんに対する治療法でも、ある程度の違いはあります)。

病期はまた、医師の側だけでなく、患者やその家族にとっても重要な指標となります。これによって治療方針が立てられる場合、そこに患者や家族も参加し、意見を表明することができます。つまり病期は、医師側と患者側との情報交換や治療法の検討に不可欠となります。

さらに、患者側が病期を知ることは、治療後の生存期間(予後)や生活のしかたなどを考える手がかりともなります。本書が記事中に掲載している肝臓がんの病期は、日本肝癌研究会が定め、国内で広く使用されているものです。


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