前立腺全摘除術や放射線療法だけで根治がむずかしい前立腺がんに対して、がんを縮小させる目的で根治治療の前に行うホルモン療法を「ネオアジュバント療法」といいます。また、根治治療のあとに、追加治療として行われるのが「アジュバント療法」です。

前立腺全摘除術を行う場合、ネオアジュバント療法を行っても、生存率に改善は見られないとされています。一方、前立腺全摘除術後に、切除した前立腺やリンパ節などを病理検査して、がんが転移しておらず、とり切れていることがわかれば問題ありません。

しかし、がんが転移して残っていると判断されたり、再発のリスクが高いとされたときなどは、アジュバント療法をとりいれる場合もあります。

放射線療法を主治療とする場合、ネオアジュバント療法は有効です。事前にホルモン療法をすることで、前立腺がんが小さくなるだけでなく、前立腺自体も小さくなります。そのため、放射線を当てるターゲット範囲が小さくなり、前立腺全体に効率よく当てられ、副作用も軽くてすむ利点があるのです。

また、アジュバント療法も適しています。実際、放射線療法単独よりも、アジュバント療法を併用したほうが、生存率が高くなるといった報告もあり、有効性が確認されているのです。

このため、特に高リスクの患者さんには、放射線療法にネオアジュバント療法、アジュバント療法のどちらか、もしくは両方をとり入れることがスタンダートとなっています。

■行うタイミングや期間は施設によって異なる

補助療法を行う期間の目安は、中リスクの人は6カ月くらい、高リスクの人は2年くらい、低リスクの人はあまり治療効果が変わらないので行う必要はないといわれています。

ただし、どれくらいの期間行うかは確定しているわけではなく、議論されているところです。施設によって違うので、主治医によく確認してください。

■前立腺がんのリスク分類

・低リスク
PSA<10ng/ml、グリソンスコア6 以下、T分類T1かT2a、この3項目をすべて満たす

・中リスク
PSA10~20ng/ml、もしくはグリソンスコア7、もし<はT分類T2bかT2c、これらのうちいずれか

・高リスク
PSA>20ng/ml、もしくはグリソンスコア8~10、もしくはT分類T3~T4、これらのうちいずれか


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