キノコ系サプリメントについて


キノコ系サプリメントについて

私はいわゆる「抗がんサプリメント」を
強く推奨していません。

「気になるから飲みたい」という方には、
『食事や酵素やビタミンなどの必須事項をクリアしてから
 プラスアルファとして摂るならどうぞ』
とお伝えしています。

食事療法も同じなのですが、
「これががんに効く」「これでがんが治る」という
極端な考え方には、賛成できないのです・・・。

なぜそういう考え方に至ったのか、という点についても
これから詳しく伝えていきたいと思います。

というわけで、今回は「キノコ系サプリ」についてです。


キノコ系サプリメント(アガリクスなど)に
多く含まれるβグル力ンは、免疫力を高め、
がんを攻撃するといわれています。

そのメカニズムは
どのようなものなのでしょうか。

まず、グルカンは多くのブドウ糖が
結合した多糖類のことで、
その結合の仕方の違いで
αグルカンとβグルカンに分けられます。

αグル力ンには
グリコーゲン(動物の筋肉に蓄えられるエネルギー源)と
デンプン(植物が光合成でつくり出す炭水化物)などがあり、
βグルカンには紙の繊維質であるセルロースなどがあります。

このβグルカンは
食品化学では食物繊維として扱われます。

重要なことは、
人間にはβグルカンを分解する酵素がなく、
消化されないまま排泄される食物成分ということです。

その食物繊維に、
どうやって免疫機能を高める力があるのでしょうか。

一部のキノコ業者は
βグル力ンの分子を化学的に小さくし、
腸管から吸収されやすくしていると説明しています。

しかし、たとえ分子を小さくしても、
βグルカンの構造は残るので、吸収されないはすです。

また、仮にβグル力ンが分解されたとしても、
βグル力ンはブドウ糟になります。

そう、よくある「ブドウ糖」です。

ブドウ糖が免疫力を
大きく高めるとは考えにくいのですよね・・・。

そこで、新たにβグル力ンが腸を通過する際、
腸壁にあるリンパ組織を刺激して
免疫力を高めるという説が登場しました。

これは可能性としてはあり
得る説とはいえますが、
やはりおかしな点もあります。

もともと腸内には食物に由来するカビや
麹菌などの常在菌がいて、
それらが持つβグル力ンにあふれでいます。

もしβグルカンが腸管内リンパ組織を刺激し、
免疫力を高めるというなら、
わざわざキノコに含まれるβグルカンを
摂る必要もないことになります。

このようなことから、
βグルカンの免疫活性効果は
試験管内やマウスやラットの動物実験で
認められたという範囲に止まっています。

現時点では、人間にに対する効果には大きな
疑問符がつくという判断になります。